修了生の声

2022年度修了

堀永 遥加 さん

他大学の学部を卒業後、政策創造研究科に入学。2023年3月修了。 現在は、観光業界に勤務。

入学の動機

学部時代に東日本大震災の被災地を訪問するプロジェクトへ参加したことがきっかけで、災害コミュニティ研究を始めました。しかし、新型コロナウイルス感染症の関係上、追加での現地訪問が難しくなり、テーマを変えて卒業論文を執筆しました。  途中で止まってしまった災害研究を続けたいという想いとアルバイトで地域の発信に携わる中で感じていた発信の難しさを被災地研究に活かしたいという想いから大学院を受験しました。

研究テーマ

 「東日本大震災におけるメディア発信」をテーマに、石巻市を中心事例として研究を進めました。世界中、いつどこでどのような自然災害が起こるといった正確な予測は、難しい部分があります。  次の災害へ備えるにあたり、災害後にどのメディアを用いてどのような内容を発信することが望ましいのかを明らかにするべく、インタビュー調査を行い、当時のマスメディアやSNSでの発信を確認した上でモデルを作成しました。

今後について

本研究科の授業において、知名度が高くない田舎地域も世に知られていない魅力が多々あると感じました。そのような地域の魅力を全国的に広める仕事や魅力を活かす仕事がしたいと思い、観光業への就職を決意しました。  今後は、研究や大学院生活を通して身につけた、論理的に考える力や多角的な視点から考える力で各日本地域について深く理解したいと考えております。

メッセージ

年代や国籍が異なる方々との学びにより、多角的な視点から考える力が身についたと感じています。また、3つの群があり、教授陣も含めて分野が異なるため、新たに気づくことも多々あります。そして、様々な分野でご活躍されている社会人経験が豊富な方々との学びは、私のように社会人経験がない方にとっても貴重な時間になることと思います。 研究においては、事務の方々を始め、多岐に渡るご支援があることも魅力的です。

2022年度修了

西田 陽子 さん

大学卒業後、持続可能なライフスタイルを提案する食品小売に入社。マーケティング、経営企画などに従事し、現在ビジネスアナリストとして勤務。2023年3月に本研究科修士課程を修了。 2023年4月より研究生として在籍中。

入学の動機

持続可能なライフスタイルの提案をするソーシャルビジネスでの仕事を通じて、地域環境保全、地域雇用づくり、フェアトレードなどさまざまな社会課 題に取り組む取引先に刺激を受けてきました。  所属する会社や取引先を通しての社会貢献ではなく、私個人に社会貢献できる能力があるだろうかと振り返ったときに、自信をもって「ある」といえな いことに気づき、以前から関心のあった過疎地域の課題に取り組む分野で、課題を解決していく能力を身につけたいと考えて入学しました。

研究テーマ

地域企業による社会性と経済性の両立が研究テーマです。人口減少や高齢化にともなう地域衰退、特に生活のための環境・サービス低下に対して、自治 組織やNPOだけでなく、地域企業による取り組みに期待が寄せられています。地域が資源基盤となる企業側にも取り組み意向がありますが、事業活動とし て継続的に行う事例は少ない状態です。地域の生活サービスなどに継続して取り組む企業事例から、経済活動と社会活動を両立する構造を導き出すことで、 地域課題に取り組みたい企業への行動支援となりたいと考えて研究をすすめました。

今後について

 修士課程での2年間は、多くの学びがある充実した時間だった一方で、提案に足りる研究をするには短くもありました。  ソーシャルビジネスやNPOではない地域企業が、地域とともにあるために社会課題へ取り組む状況は、地方だけでなく都市部も含む全国で増えてくると想定しています。  仕事と研究の両立は難しさもありますが、研究を通した新しい学びや人とのつながりを楽しみながら、研究を深めていきたいと考えています。

メッセージ

様々な経験や関心をもつ、20代から70代まで幅広い年代の方が集まっています。ゼミや講義ではグループワークや報告など、院生同士の異なる視点や価値 観を交わす機会も多く設けられていて、視野を広げて問いを深める力を身につけられたと感じています。  教授陣のご専門も多岐に渡り、それぞれのご専門からのインプットをいただくことで、自身ではたどり着かない理論や研究方法を知り、研究に活かすこ とができました。  社会人が仕事と両立して学ぶことに理解のある環境であることも、本研究科の大きな魅力だと思います。

在学生の声

修士課程2年(地域産業プログラム所属)

施 林杰 さん

中国江蘇省の出身。2021年東洋大学経営学部経営学科を卒業後、2022年度に本研究科へ入学。

入学の動機

現代社会は多くの複雑な問題を抱えています。これらの問題に対処するには、事実に基づいた意思決定と創造的な解決策が不可欠です。私は本研究科で 習得する研究手法と政策分析の技術が、これらの課題に直面する際に必要となる道具だと確信しています。また、卒業後公務員を目指す私は地域経済と産 業での問題解決に向けての研究を行うことで、自分自身の知識とスキルをさらに発展させることができると信じています。

研究テーマ

 海洋は豊かな資源を擁し、経済成長、雇用、イノベーションを押し上げる可能性を秘めています。また海洋が有する意義や課題(地球温暖化対応、島諸国の 発展、環境保全等)については、国連をはじめとする国際機関からの提言等により世界的な関心が急速に高まります。本研究は、かような状況を踏まえて 海洋を産業的な観点(海洋資源の活用、場としての海洋の利用等)から捉えて、『海洋関連産業』と地域経済の関係を多様な観点から分析を行います。

修士課程2年(都市空間・まちづくりプログラム所属)

吉田 充志 さん

大学卒業後、上水道関連企業の 海外営業部署に入社しJICAの研修・調達案件を担当する。兼業として世界中の都市の“創造的試行錯誤” を紹介する雑誌「MEZZANINE」へ寄稿。2022年度に本研究科へ入学。

入学の動機

私は米国オレゴン州の大学に留学し、卒業後は同州ポートランド市にある州政府の企業誘致部署でインターンを経験しました。ポートランドは都市開発 の教科書的成功事例として広く知られ、私もその時の経験や帰国後の執筆業等を経験するなかでまちづくりへの理解・関心が深まりました。帰国後、上水 道関連機器メーカーの海外営業部署に就職し、部署業務の一環でJICAの研修・調達案件にも関わりました。これらの経験を学術的な軸を用いて整理し、将 来のキャリア形成に活かすために、働きながら学べるこの研究科の門をたたきました。

研究テーマ

 JICAの国内研修の一形態である「課題別研修」の研究をしています。日本の国際協力というと橋梁や鉄道などの建設といったイメージがあるかもしれま せん。しかし実は第二次大戦以後の日本で最も歴史の長い国際協力事業のひとつは被援助国の行政職員を対象にした研修事業です。中でも全国各地で行わ れる課題別研修は10か国10名程度を1グループとして行うユニークな形態をとっています。この課題別研修の効果や課題を学術的に分析することがこの研 究の目的です。この研究を通じ、日本の国際協力の隠れた価値の発見とさらなる発展に寄与したいと考えております。

博士後期課程1年

石田 絢子 さん

東京都内の自治体に勤務。2021 年3月本学修士課程修了、2023 年4月博士後期課程入学。

入学の動機

行政の仕事に携わり、様々な社会問題に取り組んできました。また、価値観が多様化する中で、EBPMによる政策決定の重要性を実感し、 その力を身に着けるために入学しました。修士課程では、統計や計量分析について学び、データを用いた研究の基礎に触れましたが、 今後は、より研究を深めデータから観測される事を理論としてまとめ、現場とデータと理論の架け橋となるような成果を出していきたいと 思い博士後期課程に進学しました。

研究テーマ

急速に進展する少子化の原因とされる未婚化について研究しています。修士論文では、東京圏における若者の未婚化について、機会費用やソーシャル・ キャピタルが影響しているなどの東京圏特有の課題を明らかにしました。博士後期課程では、若者の結婚の希望が実現しない状況について、機会費用に着 目し、経済的な要因とソーシャル・キャピタルなどの非経済的な要因の両面から、時間的な変化も踏まえて研究したいと考えています。