修了生の声

2021年度修了

黒部 雅子 さん

社会保険労務士等を経て、現在 東京都内の行政所管関係団体に勤務。

2022年3月修士課程修了。引き続き本研究科研究生として在籍中。

入学の動機

私自身、社会保険労務士、2級キャリアコンサルティング技能士などの資格を生かし、キャリアアップを意識しながら転職を経験してきました。そのような中で、中途採用者が新たな組織で能力を発揮するためには、自身の努力だけでなく、受入側の支援も重要ではないかと漠然と感じ、この課題を明らかにしていきたいという気持ちが大きくなっていました。家族の強い後押しや職場の理解もあり入学を決意しました。

研究テーマ

組織社会化論、その中でも中途採用者の組織再社会化研究に取り組んでいます。現在、日本の人口が減少傾向にある中で、人手不足が続いており、中小企業だけでなく大企業においても積極的に中途採用を行う状況が見受けられます。しかしながら、企業において中途採用者が力を発揮できる環境が十分に整っているとはいえません。私の研究によって、中途採用者が転職先でこれまでのキャリアを生かして活躍できる環境が整い、企業や社会の発展のお役に立てればと思っています。

今後について

組織社会化は、これまで学校から組織への移行を扱うものが中心であり、中途採用者の組織再社会化研究は必ずしも進んでいるとはいえません。このため、この分野の研究は、これからの日本にとって極めて重要なものだと感じています。修士論文で執筆した内容は「研究」としてはまだ入口であり、この分野の研究をさらに深めていきたいと思っています。

メッセージ

教授はもとより、様々な価値観やバックグラウンドをもつ院生と日々議論を交わすことで、物事を多面的に捉える思考や、問題の本質を深い視点で考察できる力がついたと感じています。仕事をしながら、限られた時間を使って研究に取り組むなど、修士課程の2年間は忙しい日々でしたが、それだけに何ものにも代えがたいものとなりました。豊富な蔵書のある図書館や大学院事務部の方々の支援といった充実した環境があることも魅力のひとつです。ぜひチャレンジしてみませんか。

2021年度修了

中根 正義 さん

全国紙で記者、雑誌編集者などを務め、2022年4月、大学付属中高一貫校の校長に就任。

本研究科は2020年4月に入学し、2022年3月に修士課程修了。

入学の動機

新聞社で新聞・雑誌の記者・編集者として35年のキャリアがあり、うち約20年は教育関係の取材に携わってきました。個人的にまちづくりにも興味があり、官庁や地方自治体、大学関係者と勉強会を立ち上げ、活動をしてきました。比較的、専門的な仕事をしてきたこともあり、50代も後半に差しかかり、社会人としての一つの区切りとして“卒論”を書いてみようと思っていたところ、友人の勧めもあり入学しました。

研究テーマ

少子高齢化社会の進展により、地方の疲弊、衰退は著しいものがあります。このような中で高等機関である大学が地方自治体や企業と連携し、地方創生や地域貢献を掲げ、人材育成に力を入れ始めました。地方の大学にとっても、少子化で学生確保が厳しさを増す中、地域で活躍する人材を送り出すことは、存続をかけた生き残り戦略になります。そこで、地方創生に役立つ人材育成のために、大学と自治体、企業がどう連携していけばいいのかを量的調査や質的調査を駆使して導き出そうと試みました。

今後について

学術研究の一端を垣間見ることができたのは、高等教育機関のあり方を取材してきた身として大いなる収穫となりました。現在は中等教育機関で働いていますが、学位取得を目指して研さんを積む教員たちも多く、本研究科で学んだ経験をベースに会話をすることもあります。現在、中等教育では探究的な学習が取り入れられています。大学院で学んだ研究手法、論文作成技術が、生徒たちの指導に生かせるのではないかと考えています。

メッセージ

本研究科は20代から70代まで幅広い学生が学び、そのバックグラウンドもさまざまです。しかも、各自が前向きに研究に打ち込む姿勢は大いに刺激になり、自分を高めてくれました。多彩な教授陣がそろい、研究テーマも幅広く、学び合いの中で日々、新たな気づきが生まれていたように感じています。人生100年時代と言われるなか、学び直しの大切さが叫ばれています。学ぶことに貪欲で、さまざまな専門性を持った社会人らが集う本研究科は、リカレント教育のトップランナーではないかと思っています。

在学生の声

修士課程2年(企業経営革新プログラム所属)

李 嘉凝 さん

中国広東省中山市出身。2019年に中国天津商業大学を卒業後、日本に留学。

2021年に本研究科に入学。

入学の動機

両親の仕事と大学での勉強の原因で企業の経営とイノベーションに興味を持つようになりました。日本がアジアのイノベーションの先進国であり、実践と学術の両面において多くの経験を蓄積しているため、日本で学ぶことにはとてもやりがいがあると思います。 私は実践知を重視し、政策の視点から問題を分析するという本研究科の教育理念に共感しています。また、井上教授は経営学とオープンイノベーションの専門家であり、企業経営革新プログラムでは、企業が抱える様々な経営課題の解決を研究テーマに、理論と実践の双方からアプローチしています。勉強を充実させ、研究を進めるために、井上ゼミに志望いたしました。

研究テーマ

オープンイノベーションは、Chesbrough(2003)によって提唱されて以来、多くの国の企業が取り組み実践しました。日本でもオープンイノベーションの導入に積極的に取り組んでいますが、情報の粘着性というがオープンイノベーションのパフォーマンスを影響できる要因に着目する研究が少ないと思います。故に、「情報の粘着性がオープンイノベーションのパフォーマンスに及ぼす影響」をテーマにして、日本型オープンイノベーションを研究し、日本と中国を業界に貢献したいと思います。

修士課程2年(都市空間・まちづくりプログラム所属)

服部 恭子 さん

大学卒業後、航空会社へ入社し客室乗務職、地域活性化支援業務に従事。また兼業としてシンクタンクにおいて地域政策、地域交通に関する調査研究業務を担当。2021年度に本研究科へ入学。

入学の動機

地域での仕事に携わる中で、より地域のニーズに応えるためにはマーケティングやイノベーションの視点が必要であると感じました。当時の上司が大学院での学びを地域課題の解決に結びつけていたことで、私もこれまでの知識や経験を客観的かつ体系立てて検証したく、大学院への進学を決意しました。本研究科は多種多様なプログラムがあること、また社内に本研究科卒業生が在籍し、修了後の自身のキャリアを容易にイメージ出来たことが、入学への大きな決め手です。

研究テーマ

持続可能な地域づくりを目指す「関係人口」に関する研究をしています。交流人口でも定住人口でもない「関係人口」が、どのようなプロセスを辿ると生産年齢人口の減少による地域活動力の低下を補うことが出来るのか。「関係人口」の創出が、持続的に地域の担い手づくりに繋がるよう効果的ロジックモデルを見出せたらと考えています。本学での学びを少しでもお世話になった地域に寄与出来ればとの想いで、日々多角的視点を持ってち研究に取り組んでいます。

博士後期課程1年

吉田 和広 さん

大学卒業後、商社に入社。営業部門からキャリアをスタートし、海外企業のM&Aや事業経営を実践した後、調査・情報業務を経験。2022年3月本学修士課程修了、2022年4月より博士後期課程。

入学の動機

海外事業会社のトップマネジメントとして経営を実践し、企業・地域住民・行政が互いに協力してまちづくりを進めることの大切さを知ることができました。帰国後、この経験を活かして将来は日本の地域活性化に貢献したいという思いが高まり、まちづくりを理論から学ぶために増淵ゼミへの入学を希望しました。修士課程では、ゼミや授業での学びはもちろんのこと、修士論文の執筆を通じて、世界を見る目が大きく変わったことを実感しています。

研究テーマ

修士論文では「地域帰属意識の差異が及ぼす地域間格差の拡大に関する研究」を執筆し、東京23区の住民が各々の居住区に対して持つシビックプライドや地域活動参加意欲の地域間格差を明らかにしました。博士後期課程では、対象範囲を地方都市まで拡大し、都市間の比較を行うと共に、地域帰属意識の地域間格差が生じる要因の解明を目指します。研究を通じて、住民が主体となって推進する地域経営の実現に貢献できればと考えています。