修了生の声

2024年度修了
河瀬 恵子 さん
大学卒業後、民間企業で主に人材マネジメント業務へ従事した後、2017年より大学へ転身。文科省事業コーディネーターとして外国籍留学生の就職・キャリア支援を担当する。2025年3月に政策創造研究科修士課程を修了。2025年4月より研究生として地域創造インスティテュートへ在籍中。
入学の動機
最大の動機は石山研究室という世代を超えた学び合いの場に惹かれたことでした。当時、大学で外国籍留学生と日本人学生がともに学ぶ講義を担当していたのですが、お互いの違いを協働へ導く場づくりへ試行錯誤を重ねていました。実は入学の7年前にゼミ活動を見学させて頂いたのですが、多様な背景を持つゼミ生同士が、自分のこと以上に他者の研究に真剣に向き合う姿に感銘を受け、「一体、このような学び合いの場はどのようにして成立するのだろう」と関心を抱きました。7年の時を経てこの問いと向き合ってみたいと思い、進学を決意しました。研究テーマ
日本企業で働く外国籍の方(高度外国人材)が職場で十分に力を発揮するために、組織や日本人社員に求められる姿勢や対応について研究しています。修士論文では、若手外国籍社員とその日本人上司に焦点をあて、両者の業務遂行を妨げる「ズレ」に着目した分析を行いました。昔から、「人と人はなぜ分かり合えないのだろう」という漠然とした疑問を抱いていたのですが、時間とお金という大切なものを捧げる大学院であるからこそ、これまでの人生で知りたかった問いを探究してみたいと思い、このテーマを選びました。今後について
修士課程修了後、都内の私立大学でキャリアデザインを担当する教員として、新たな一歩を踏み出しました。また、地域創造インスティテュートでは研究生として研究活動も継続しています。今後は、石山研究室で得た学びと外国籍留学生のキャリア支援の実務経験を融合させ、国籍や価値観の違いをキャリアの可能性へとつなげる場を次の世代に届けたいと考えています。メッセージ
このメッセージをご覧の方の中には、学び直しに興味があっても「今はまだそのタイミングではない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。私も、仕事と育児、そして介護へ奔走する中、多くの不安を抱えながら大学院の学びへ飛び込みました。しかし、いくつもの人生の役割を担う大人たちが「学びたい」という情熱を持ち寄る場は、すべてを整えてから始めることよりも、人生の難題を柔らかく受けとめる心の持ちようが大切であることを教えてくれました。「いつか」は、思いのほかすぐ過ぎてしまうかもしれません。まずは進学相談会へお越しになってみてください。是非、私たちとともに学びましょう!
2024年度修了
橋本 佳明 さん
大手損害保険会社を定年退職し、現在はクラフトビール醸造販売会社役員。2025年3月に本研究科修士課程を修了。同年5月より東京大学大学院新領域創成科学研究科スマートシティスクールにて充電中。
入学の動機
定年退職後、杏林大学リカレント教育プログラムにて、総合政策学部で行政学やまちづくりを、保健学部で心理学や健康福祉を、外国語学部で多文化共生や観光・文化交流を学びました。同時に「三鷹市市民参加でまちづくり協議会」にリーダーとして携わる中で、この市民参加活動を市民視線からアカデミアの観点で総括すべきとの思いがあり、自己実現の次のステージを目指すに、本研究科のカリキュラムがとても魅力的で一目惚れしました。研究テーマ
テーマは、自らの市民参加と協働の活動をベースに、自治体の総合計画への市民参加の研究です。市民参加と協働は先行研究や関連書籍が数多い中、市民の立場で市民の思いを論じたいと考えました。また、上山先生のご指導のもと、日本建築学会・自治体学会・地域活性学会での研究発表や、実際の活動体験を研究対象とし紀要や査読論文への挑戦、書籍出版にも共著で参加する機会をいただき、研究テーマの幅が広がり感謝しています。今後について
修士論文では、DX社会を前提に論じつつも未来予想図を描き論ずることはできませんでした。現在、Society5.0が指し示すサイバー空間とフィジカル空間の融合による人間中心の社会の実装を学んでおり、スマートシティにおける市民参加や協働の実践に市民は何をなすべきかを考えています。地域での新たな活動へのお誘いもあり、本研究科の成果を胸にエフェクチュエーション理論を実践し、常に挑戦し続ける人間でありたいと思います。メッセージ
常に目的を高く意識することが大切。素晴らしい先生方や多彩な先輩や友たちという恵まれた環境、かつ、限りのある期間。単に修士号の取得を目的に院生生活を過ごしてしまうのはもったいない。新たな出会いを有意義なものとし、全てのカリキュラムに真摯に向き合い、ゼミの先生のご指導のもと研究を探求すれば、自ずと成果は見えてきますし自身の大きな変化に気づくはず。近視眼的に修士論文に四苦八苦するのは愚の骨頂との自戒です。在学生の声

修士課程1年(地域創造インスティテュート 産業・企業・イノベーション創造群)
緒方 悠太郎 さん
他大学院博士後期課程を単位取得退学後、会計系コンサルティングファームに入社。以後、スタートアップ2社を経て、現在は医療系スタートアップにて法務・コンプライアンス業務などを担当。2025年4月に本学地域創造インスティテュート入学。
入学の動機
二度目の大学院入学です。約八年前、他大学博士課程を論文未提出のまま退学しましたが、研究への思いは消えず、働きながらも個人で学会に参加し論文執筆を試みてきました。その中で、改めて研究指導の重要性を実感。業務と両立可能な大学院を探す中で指導教員である近藤章夫教授のインタビュー記事に出会い、本学の設立を知り、入学を決めました。研究テーマ
経済地理学・地域経済学を背景とし、これまでは都市・産業単位での経済成長に関心を持ってきました。近年は企業で働く立場から、企業活動が都市や地域の経済に及ぼす影響に注目しています。企業の分類・分析には業種・業界といった軸がありますが、そこに企業価値という視点を加え、企業活動の地域経済への貢献度を測る枠組みを探りたいと考えています。
修士課程1年(地域創造インスティテュート 産業・企業・イノベーション創造群)
李 聡彦 さん
2022年、中国の上海立信会计金融学院法学部を卒業後、同年の7月に日本に参りました。2025年4月に法政大学大学院地域創造インスティテュートに入学し、現在は人間社会研究科(土肥研究室)に所属しております。
入学の動機
学部では法律を学ぶ中で、企業のグリーン活動に対して問題意識を持つようになり、法学の枠を超えて企業の社会的取り組みに関する課題を多角的に研究したいと考え、大学院への進学を決意しました。地域創造インスティテュートには、実務経験のある社会人や多様な背景を持つ学生が多く在籍しており、理論と実践の両面から深い学びが得られると感じています。特に私の研究テーマのような現代的課題に取り組むためには、異なる視点から意見をもらえる環境が非常に貴重であり、その点に強く惹かれて本学を志望しました。研究テーマ
近年、国際社会では企業の社会的責任(CSR)への関心が高まり、地域社会や環境へ配慮する企業に「良い企業」を評価するB Corp認証の影響力が世界的に拡大している一方で、企業による見せかけの環境活動や誇大宣伝などの「グリーンウォッシュ(Green wash)」も多発しています。私は、これらの企業のグリーンウォッシュ活動の発生要因やメカニズムを企業とステイクホルダーの関係性から考察し、より持続可能な企業活動に導く方法を見出したいと考えています。
博士後期課程1年(地域創造インスティテュート)
鈴木 千鶴 さん
東洋大学 福祉社会デザイン学部 社会福祉学科 助教。高齢者介護や障害者福祉に携わりながら、介護福祉専門職養成に従事している。2021年3月政策創造研究科修士課程修了、2025年4月地域創造インスティテュート博士後期課程入学。