カテゴリー: 08 授業

今回 増淵ゼミでは 「都市のレイヤーを見る」をテーマに 様々な都市や 街を歩き、その街における 時代ごとの姿を物語る施設や痕跡を訪れました。今回は須藤ゼミや樋口ゼミの方も一緒に街歩きをしました。

  今回2回目の舞台となった街は、北条氏の城下町である神奈川県小田原市になります。なお実習に際して小田原市企画部広報広聴課と非営利法人「小田原まちづくり応援団」の協力もあり今回の町歩きが実現しました。同時に今回の実習に際しては、参加している学生との意見交換も設け、今後の小田原市のまちづくり、観光戦略についてどうすすめていくべきか議論しました。

旧東海道の宿場町.jpg

写真: 東海道 小田原宿の地区にある 薬局「ういろう」の店舗。 市川家の十八番「外郎売」のモデルにも知られます。

 

今回 訪れた 小田原市は 小田原城をはじめとする 北条氏の城下町の歴史に加え、江戸時代からの宿場町の側面、明治時代以降の上層階級の保養地の側面としても見られその3つの特徴を眺めることができるよう、ルートが策定され町歩きを行いました。特に上層階級の保養地という側面では 明治の政治家 山縣有朋や電力王 と言われた資産家 松永安左エ門等の権力者や、北原白秋をはじめとする文学人が住んでいた側面があり非常に強い観光資源である点を伺えます。

西海子通り.jpg

写真 明治時代の政治家や文学者の邸宅が存在していたや西海子(さいかち)通り。現在も小田原市の高級住宅地になっています。

 

意見交換の場では 上記の特徴を踏まえた上で、観光資源の強みを生かすにはどうすれば良いか市職員と議論をしました。特に「町歩きをする上で休憩できるインフラが少ない」点や、「資源の独立性が強く、協力体制が取りづらい」点が指摘され、今後のまちづくりのヒントと課題が見える結果となりました。観光客の求めるニーズと乖離し、そうした評価が小田原の観光を妨げているのが現状ではないか、こうした状況の打開が今後小田原市の政策として必要かもしれないという結びの元ゼミの街歩きは終えました。