カテゴリー: 07 戦略連携

2月26日(金)に市ケ谷キャンパスのボアソナード・タワー26階スカイホールで、国際シンポジウム「地域活性化の施策と人材育成」(平成21年度文部科学省「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」事業、政策創造研究科主催、地域研究センター後援)を開催しました。

今回は国内外の専門家をお招きし、地域が発展するためにはどのような地域に対する施策が必要か、どのような人材育成が求められるのかを議論しました。

本学では「全国の地域で活躍できるプロフェッショナル<まちづくリスト>育成プログラム」(平成21年度文部科学省「大学教育充実のための戦略的大学連携支援プログラム」事業)の補助金事業採択を受け、札幌学院大学、高知工科大学、沖縄大学と連携し、地域活性化の方法論を確立しながら、「まちづくり」の専門家を育成していきます。

関連リンク:法政フォトジャーナル

カテゴリー: 02 シンポジウム・講演会

法政大学大学院政策創造研究科

都市環境創造政策プログラム公開シンポジウム「歴史的ストックの活用のいま」

司会:恩田重直(政策創造研究科・講師)

講演者:赤松加寿江(東京藝術大学・助手)

     山口尚之(建築家 一級建築士事務所 タステン アーキテクツ主宰)

     池田浩大(株式会社トーウン・代表取締役)

 

 戦後日本は、スクラップ・アンド・ビルドを繰り返してきた。近年、歴史的ストックを積極的に活用しようとする動きがでてきたとはいえ、まだ手探りの段階である。そこで、本シンポジウムではこれからの歴史的ストックの活用のあり方について、いまをときめく講師陣に最前線の講義をしていただいた。

 

赤松加寿江氏

 はじめに、赤松氏の講演、「鎌倉における歴史的ストックの現状と活用事例」は実体験にもとづいた事例紹介を通じて、現在の歴史的建造物の保存や利活用の問題を浮かびあがらせた。赤松氏の設計事務所は、鎌倉市景観重要建造物に指定された昭和初期の洋館である。建物の一部を一般開放し、イベント空間としても活用している。また、文化財指定には至らないものの、まちなかに存在する数多くの建築たちを「B級建築」と名付け、その価値についても触れた。これからは、「B級建築」の再生・利活用が面的な都市空間の保存につながり、用途地域の問題など法的な緩和によってその可能性が広がると示唆した。 

 

 

 

山口尚之氏

 次に、山口氏からは、中山間地域の地域資源である木造校舎を利活用し、地域づくりのきっかけとなった「八尾スローアートショー」の実践報告をしていただいた。雛形にもとづいて戦後に建てられた木造校舎もまた、「B級建築」であると指摘する。アートをきっかけとして地域住民が積極的に使うという発想でもって、地域に新しい価値を生み出していくことが求められているという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

池田浩大氏 最後に、東京の芝浦で倉庫業を営む池田氏には、「東京芝浦における倉庫の活用」というテーマで、倉庫の様々な活用事例を紹介していただいた。ここでは、リノベーション・リニューアル・リサイクルといった考え方を包括的に盛り込んだ活用を「RE・倉庫」と定義し、次世代の倉庫の在り方が示された。それは、本来の機能を果たさなくなった倉庫を、オフィスやダンス・スタジオなどのマーケットニーズに対応した使い方に更新するという事例であった。また、「B級建築」に対しては、マイナスイメージをともなうB級よりも「ビンテージ」として積極的に価値づけていくことが提案された。倉庫は構造的に強く、都心に立地するうえに経済的にも安価であることから、今後、倉庫を活用した「RE・倉庫」の幅は広がるであろう。

 

 

 

 

 

 

 このように、利活用の可能性を大いに秘めた「B級建築」に、新たな価値を見出していくことが、都市再生や地域活性化の可能性を広げてくれるに違いない。 

カテゴリー: 01 入試情報

下記の日程で法政大学大学院政策創造研究科進学相談会を開催します。
当日は研究科ディレクター(本研究科独自の制度)が親身の対応をいたします。
ご予約は不要です。皆様のご参加をお待ちしております。

□日時 2月6日(土)13:00~15:00

□場所 法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー 19F D会議室
     http://www.hosei.ac.jp/hosei/campus/annai/ichigaya/campusmap.html

カテゴリー: 02 シンポジウム・講演会

下記の日程で法政大学・平成21(2009)年度学内競争資金獲得研究助成「東アジアにおける行政文化の比較研究」 国際シンポジウム「日・中・韓の公務員制度改革―官僚制の文化変容は可能か―」を開催します。奮ってご参加ください。

■日時 : 2010年2月20日(土)14:00~18:00
■場所 : 法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー 26階 スカイホール・会議室A
          http://www.hosei.ac.jp/hosei/campus/annai/ichigaya/campusmap.html

■基調講演(1) : 「韓国における公務員制度改革の内容と成果、課題」 
           金 半錫(韓国、延世大学校政経大学行政学科教授、延世大学校地域発展研究所長)

 基調講演(2) : 「中国における公務員制度の形成と現況、展望」
                 白 智立(中国、北京大学行政管理学院助教授、北京大学日本研究センター副主任)

 基調講演(3) : 「日本における公務員制度改革の過程と議論内容、課題」
           武藤 博己(日本、法政大学大学院政策創造研究科教授、大学院特例課題研究所比較行政研究所長)

■パネル討論 : 「官僚制の文化変容は可能か」
           論点提示  毛 桂栄(明治学院大学法学部教授)
           パネラー   武藤博己、金判錫、白智立、高嶋直人(人事院国際課長)

■参加方法 : 当日受付も可能ですが、会場(定員約200人)の関係上、
        下記の「法政大学イベント受付システム」(https://www.hosei-web.jp/fm/10053.html
        から申し込みください。参加費は無料です。

詳細はこちらをご覧ください。

カテゴリー: 02 シンポジウム・講演会

2010年1月9日(土)、市ヶ谷キャンパス田町校舎にて実施いたしましたシンポジウム「キャリア・アセット・マネジメント キャリアはどう統合されるべきか」(政策創造研究科 雇用政策プログラム公開シンポジウム)の当日の模様を2分半の動画にて纏めました。

MPEG-4 Movie(28MB)

 

カテゴリー: 01 入試情報

2010年度法政大学大学院政策創造研究科 科目等履修生を募集いたします。

本大学院は、定員に余裕のある場合に限り、選考の上「科目等履修生」として所定の科目の履修を許可します。

以下が入学案内と出願書類になりますので、ダウンロードしてお使い下さい。

2010年度政策創造研究科 科目等履修生入学案内.pdf

 ご参考までに2010年度の授業シラバス・時間割のリンクを貼りますので、どうぞご利用下さい。

2010年度授業シラバス.pdf

2010年度時間割.pdf

カテゴリー: 02 シンポジウム・講演会

 働く人のキャリアは財産であり、そのキャリア・アセット(資産)をいかに統合的に活用していくかについて議論するシンポジウム「キャリア・アセット・マネジメント キャリアはどう統合されるべきか」(政策創造研究科 雇用政策プログラム公開シンポジウム)を2010年1月9日(土)、市ヶ谷キャンパス田町校舎にて実施いたしました。

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 当日は GE グローバル・ラーニング クロトンビル・リーダーシップ・ジャパン マネージャーの田口 力氏を基調講演者・パネリスト、学習院大学経済学部教授の今野 浩一氏と東京都監査委員(元資生堂監査役)の金子 庸子氏をパネリストとしてお迎えし、本研究科教授の諏訪康雄氏との対談形式で進めていきました。

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 田口氏の基調講演ではご自身の、日本の人材開発に尽力されてきたキャリアと、GEのコーポレートユニバーシティであるクロトンビルでグローバル人材開発を担当されている現在のキャリアをいかに統合してきたかという点と、GEのキャリアの考え方をご紹介いただきました。GEでは社員全員がリーダーであることを求められ、リーダーシップ開発とキャリア開発を車輪の両軸として自己の成長を図っていくこと、キャリアを決めるのは上司ではなく自己の成長は自分自身が責任を持つこと、そのためには自身のキャリアを適切に棚卸し外部環境が自己に何を求めているかを把握したうえで、「パーソナルブランド」を確立すること、などを田口氏は強調されました。

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 討論の冒頭では、諏訪氏からキャリア統合を進めていくことの重要性が提起されました。これを受け、今野氏は労働市場においては、無制限に労働を供給できる単一的な中核労働者だけが存在していた状況が、多様な労働者が存在する状況に変化したことを踏まえ、共通的な人事管理の仕組みとして仕事という概念が労働契約の中心となることを指摘されました。

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金子氏は、単一的な中核労働者だけが存在し、女性のロールモデルが存在しなかった状況の中で、いかにご自身のキャリアを切り開かれてきたか、また後輩となる人々にいかに影響をあたえてきたかを、具体例でわかりやすくご説明されました。これを踏まえ、会場の参加者との活発な質疑応答が行われました。

 

 

 

 

 

 

 

 討論の後半では諏訪氏から、美術館が膨大な収蔵品の中からテーマに沿った収蔵品のみを選択して展示している例に喩え、人生の折り返し点以降のキャリアにおけるキャリア資産の意味づけ、相互の関連づけの意義が提起されました。これを受け、今野氏は、パーソナルブランドとしての自身の専門領域が外部に明確に知られていると、新たなキャリアが飛躍的に発展する可能性が高くなることを指摘されました。金子氏は自身のキャリアとして、社外や地域のネットワークを持っていたことの有用性を強調し、折り返し点は意識せずにますますキャリアを輝かせることに注力してきたと発言されました。田口氏は収蔵品の見せ方というストックだけではなく、折り返し点以降でも新たな能力開発を続けるフローの重要性を指摘されました。

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 シンポジウムでは、多くの方々の積極的な参加をいただき、盛会に終えることが出来ました。会場に足をお運び頂いた皆様方に、心より御礼申し上げます。